1980年代前半のシンセロック:Eddie Jobson/Zinc / The Green Album

前回紹介したTAOの曲が収録されたアルバムを久しぶりに聴いていて、そういえばこの時期で似たようなサウンドのアルバムがあったなあと思いだしたのが、このアルバムです。(改めて聴くとあんまり似てませんでしたが・・・)

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Eddie Jobson / Zinc / The Green Album

Eddie Jobsonはイギリスのミュージシャンでキーボード兼ヴァイオリン奏者。1970年代にCurved AirRoxy MusicJethro Tullといったバンドに一時的に参加して、その後John WettonとUKというバンドを結成し、2枚のアルバムを発表した後、ソロ活動を始めてこれが最初のアルバムでした(1983年)。

アルバムのジャケットには「EDDIE JOBSON / ZINC」と書かれているので、最初はJobsonのZincという名前のアルバムなのかと思っていました。でも最近ネットで調べてみると、Zincというのは、Jobsonのバックバンドの名前で、このアルバム中4曲はZincのメンバー3名で演奏していますが、それ以外は別のミュージシャンによる演奏だったとのことで(Wikipedia 英語版より)、一部はZincとの制作だけど、それ以外はJobsonのソロ扱いねというのが「/」の意味のようです。まあ、全曲聴いてみればメンバーの違いはあまり関係なく、Jobsonのソロアルバムだと言っていいでしょう。

曲はプログレッシヴロックとエレクトロポップを掛け合わせたようなサウンドで、どこかバグルス(またはバグルスのメンバーが加入していた時期のYES)のようなイメージがあります。ポップスやロックにシンセサイザーを導入するのは1980年代前半の洋楽サウンドの特徴だと思うので、そういう意味ではいかにも1980年代前半っぽいサウンドだと言えます。

このアルバムからは「Turn It Over」という曲がシングルとしてリリースされていて、現在はYouTubeでも視聴可能です。


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結構ポップな曲で、間奏部ではJobsonのエレクトリックヴァイオリンの演奏も聞くことができます。ヴォーカルもJobson自身によるもので、ハイトーンの声で歌っているのですが、(テクニックの問題か)いまいち魅力に乏しい感じがします(私見)。バンドサウンドを志向しているけど定常的なメンバーが揃わなかったこと、ソロアーティストとして活動するにはポップに寄せきれなかったことが、このあとポップ化することでブレイクする他のプログレアーティストとの違いだったのかも知れません。