Steve Winwoodは1960年代からバンドミュージシャンとして活動してきましたが、1970代後半からソロアーティストとして活動を始め、3作のアルバムを発表します。これらはWinwood一人の多重録音による作品でした。そして1980年のアルバム Arc of A Diver からは「While You See A Chance」というスマッシュヒットがあったりしましたが、本当に大きな成功をおさめたのは、1986年のアルバム Back In The High Life でした。このアルバムでは、外部のプロデューサーやミュージシャンを取り入れてゴージャスなサウンドに仕上げており、これがヒットの一因だったように思います。収録曲とヴォーカルも秀逸なのはもちろんです。
前置きが長くなりましたが、今回ご紹介する曲「Valerie」は、Back In The High Life のひとつ前のアルバム Talking Back To The Night に収録された曲で、シングルカットもされました。ただ、大きなヒットにはならなかったようです。ところが Back In The High Lifeの大ヒットを受けてリリースされたベストアルバム Chronicles で、この曲はリミックスされて再度シングルとしてリリースされ、全米でTop 10に入るヒットとなったという、いわくつきの曲です。リミックス版はリズムが強化されていてメリハリの効いたサウンドになっています。
でも、私が好きだったのはオリジナルバージョンのほうで、手作り感のあるサウンドが気に入ってました。(音質がイマイチだったという話も・・・)
Steve Winwood / Talking Back To The Night
この曲のMVはオリジナルバージョンのほうで、ちょっと安っぽい映像がまたいいですね(笑)。
この曲のキーボードソロはこの時期のWinwoodがよく使っていたアナログシンセによる音色で、ビデオではSequential社のアナログシンセの名機 Prophet 5を弾いているみたいです(よく見えませんが)。ソロの間は左手をベンドホイールに当てて音程に表情をつけている様子がわかります。