アメリカのロックバンドKansasのサウンドは、ギターのKerry Livgren、ヴォーカル/キーボードのSteve Walsh、ヴァイオリンのRobbie Steinhardtの演奏が個性となっていて、1970年代後半にアメリカンロックとプログレッシヴロックの要素を融合させた独特なサウンドで人気を得ました。
現在も、上記の3人は不在ながらもメンバーを変えながらも活動を続けていますが、彼らの人気のピークは、1976年の Leftoverture と1977年の Point of Know Return のアルバムでした。特に後者からは「Dust In The Wind (邦題:すべては風の中に)」というUSポップチャートのTop10に入るヒットが生まれています。
1980年代に入ると、メンバーの脱退・交代が相次ぎ人気面でもサウンド面でも下降線を辿っていくのですが、全盛期のメンバーで制作された最後のアルバムが、1980年リリースのこの Audio-Visions です。
Kansas / Audio-Visions
これまでのKansasのアルバムジャケットは、「伝説」や「冒険」を想起させるイラストだったのですが、このアルバムはかなりポップで、一見ディスコミュージックのアルバムかいな、と思ってしまうジャケットです。
ちなみに過去3作のアルバムジャケットはこんな感じ。
本作では、ジャケット裏のイラストもこんな感じで、ちょっと残念なものとなっていました。
そういうことも原因のひとつだったどうかは分かりませんが、このアルバムの一般的な評価は低いようです。そんなアルバムではありますが、収録曲の中でとりわけKansasらしい曲がこのLivgren作曲の「No One Together」です。
約7分間の疾走感あふれる曲の中で目まぐるしく行われるリズムチェンジ、Steinhardtのヴァイオリンを始めとする楽器の出し入れ、曲の後半のインスト部での各種楽器のソロパートなど聴きどころ満載です。
YouTubeには公式音源がアップされていませんので参考までに。