イングランドの聖歌「Jerusalem」は、William Blakeの預言詩「Milton」の序詩「And did those feet in ancient time」に作曲家Charles Hubert Parryが曲をつけたもので、イギリス国民には親しみのある歌とのことです。
そのような歌だけあって、ポップ/ロックの分野でも取り上げられたり、参照されたりすることが多いみたいです。今回はそんな曲のご紹介です。
まず、有名なところでは、プログレッシヴロックバンド Emerson Lake & Palmer によるバージョン。1973年のアルバム Brain Salad Surgery に収録されています。
Keith Emerson の切れのあるハモンドオルガンとシンセサイザーの演奏とCarl Palmerの勇ましいドラムをバックにGreg Lakeが高らかに歌い上げる曲です。ロックアレンジの「Jerusalem」といえばほぼこの曲一択じゃないでしょうか。
もう一つは Vangelis が映画「Chariots of Fire(邦題:炎のランナー)」のサウンドトラックアルバムに収録された「Jerusalem」。
こちらは、聖歌隊のコーラスに、Vangelisのシンセによる効果音とパイプオルガンが添えられたスタイルの曲になっています。この映画「Chariots of Fire」のタイトル自体がJarusalemの歌詞から取られたものなので、この歌が取り上げられるのは当然といえば当然ですね。映画ではエンディングの直前に流れます。
他には、栗コーダーカルテットの1997年のアルバム 蛙のガリアルド にも「聖地エルサレム」としてリコーダーでの演奏バージョンがあるのを知っています。
こちらは、Emerson Lake & Palmer のバージョンをリコーダー演奏にしたそうです。
次に曲名は違うけど曲中にJerusalemのメロディーやフレーズが入るパターン。
Dave Stewart & Barbara Gaskin の1990年のアルバム The Big Idea に収録の「New Jerusalem」。
上記の試聴部分では全然分かりませんが、9分以上ある曲の後半部でシンセによる演奏で「Jerusalem」のメロディの一部が奏でられています。興味があればサブスクなどで聴いてみてください。
最後は、Supertrampの1977年のアルバム Even In The Quietest Moments ... の最後に収録された曲「Fool's Overture」から。
この曲も11分近くある長い曲ですが、8分20秒あたりから約30秒間、聖歌隊が歌うJerusalemが背景音として流れています。
まだまだあるかもしれませんが、私の知っている範囲ではこれくらい、ということで・・・。