ZABADAKの1990年のアルバム 遠い音楽、翌年の 私は羊、1993年の 桜 の3作は、同傾向のサウンドで、吉良知彦さん/上野洋子さんのコンビによるZABADAKの完成形といえるものとなっていて、一般的にも人気の高いアルバムと思っています。私もこの3作は大好きです。
アルバム 私は羊 はその3作の中では少し地味な感じはしますが、吉良さんと上野さんそれぞれが作る曲がバランスよく収まっているんじゃないかと思います。また、このアルバムから打ち込みの要素が減り、ゲストミュージシャンによる演奏の比重がぐっと増えてきたのも特徴でしょうか。
ZABADAK / 私は羊
このアルバムに収録された「砂の扉」は、上野洋子さん作曲の作品(作詞は濱田理恵さん)。上野さんらしい民族音楽の特徴を取り込んだ曲なのですが、リズムが変拍子になっていて、イントロ・ヴァースが5拍子、コーラスが3連の4拍子になっていてちょっと異色です。でもZABADAKは他の曲でも変拍子を使っている曲があるので、さほど違和感はないです(自分は聴きなれてるからかも)。
上野さんが演奏するティンホイッスルと吉良さんのギターが中心となるサウンドはアコースティック色が強く、上野さんの美しいヴォーカルと相まって、この時期のZABADAKを象徴している曲だと思います。
YouTubeにはスタジオ録音の音源はこれしか見つからなかったのですが、一応参考まで。