Moonshine+

個人的に好きな曲たちについて書いています。

Mike Oldfield アルバム紹介 その10.5:「Pictures in the Dark」「Shine」、The Complete Mike Oldfield

今回は番外編ということで。

1984年に DiscoveryThe Killing Fields の2作のアルバムを制作したOldfieldは、ライブツアー終了後、1987年のアルバム Islands の発表までしばらく休養期間に入ります。この期間、新曲としてはシングル「Pictures in the Dark」を1985年に、1986年にはシングル「Shine」を発表したのみでした。

 

www.youtube.com

「Pictures in the Dark」は、ヴォーカルにノルウェーの歌手 Anita Hegerlandとイギリスのボーイソプラノ歌手として当時人気だったAled Jonesを起用し、バッキングヴォーカルに Barry Palmer、そしてOldfield自身も後半部でヴォーカルを披露していて、それらをパッチワークのように組み合わせて構成された曲です。ドラムは打ち込みと思われます。フェアライトのSeries IIIの発売が1985年だったので、おそらくこの曲ではSeries IIIを使っているのではないかと思います。

 

www.youtube.com

「Shine」はYesのJon Andersonが歌う、Oldfieldの曲としてはちょっと意外な明るい雰囲気のナンバー。作詞はJon Andersonが担当しています。

 

上記の2曲はどちらもヴィデオクリップが制作されていて、これらを観ると気づくと思いますが、いずれもコンピューターグラフィックスによるアニメーション(今見るとシンプルなものですが)が使用されています。この頃、Oldfieldの興味はビデオ制作に向いていて、イギリスで新しいホームスタジオを作って、最新のビデオ制作用のコンピューターを導入していたようです。(どんだけ金持ってんねんという感じですが・・・)

で、このビデオ制作への興味が昂じて、Oldfieldは、次のアルバム全曲を収録したビデオアルバムを作ってしまうことになります。

 

一方、1985年にはレコード会社側で編集した2枚組ベストアルバム The Complete Mike Oldfield がリリースされました。Side 1が過去のシングルに収録されたインストルメンタル曲、Side 2が同じくシングルとなったヴォーカル曲、Side 3が初期四作とThe Killing Fieldsからの抜粋、Side 4がライブ音源という構成になっていて、Oldfield自身は選曲に関与していないようですが、Side 1とSide 4が過去のアルバムでは聴くことができなかった音源が多かったこともあり、ファンには嬉しい企画アルバムでした。

ジャケットも美しく、丁寧に仕上げられた好盤だと思います。

Mike Oldfield / The Complete Mike Oldfield