Moonshine+

個人的に好きな曲たちについて書いています。

The Moody Blues 「Nights in White Satin」

前回に引き続き1972年のヒット曲の話です。

この年のBillboardシングル年間チャートの32位にこの曲「Nights in White Satin」(邦題「サテンの夜」)が入っています。Billboard Hot 100の週間チャートでは最高位2位にランクされましたが、この曲は1967年のアルバム Days of Future Passed に収録された曲で、シングルも同年に発表されて、本国イギリスでは1968年に最高19位となる中ヒットとなっています。

それが全米で4年後の1972年にヒットすることとなったのは、ラジオ局でのオンエアがきっかけと言われていますが、このバンドがアルバムを中心に精力的な活動をしてきた結果なのだろうと思います。事実、同年にリリースされたアルバム Seventh Sojourn は全米のアルバムチャートで初めて1位を獲得しており、アメリカでのThe Moody Bluesの人気が高くなっていたことが、この曲の再ヒットの要因の一つだと言えるでしょう。

この曲の初期のシングルバージョンは3分ほどの短いバージョンだったらしいのですが、一般にはこちらの4分半のバージョンで知られています。アルバムバージョンでは、この曲は「The Night」という曲の一部になっていて、前後にオーケストラのパートとメンバーのGraeme Edgeの詩の朗読パートが入っています。

The Moody Blues / Days Of Future Passed

 

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The Moody Bluesといえば、Justin HaywardとJohn Lodgeという優れたポップソングを書ける二人のソングライターがいて、この曲もHaywardの作品なのですが、この時期のバンドのサウンドを特徴づけているのは、Mike Pinderが演奏するメロトロンとRay Thomasのフルートで、この曲でも曲の魅力の大きな部分を占めていると思います。特にメロトロンのバンドへの導入はその後のプログレッシヴロックの隆盛に大いに貢献することになりました。