Moonshine+

個人的に好きな曲たちについて書いています。

Yes 「Wonderous Stories」

YesのアルバムジャケットといえばRoger Deanのイラスト、と言っていいくらいYesとRoger Deanの親和性は強いのですが、一時期、1977年のアルバム Going For The One と1978年の Tormato のアルバムジャケットは Hipgnosis によるデザインを採用していました。この時期イギリスではパンクムーヴメントの勢いが強く、プログレッシヴロックのような複雑で長大な音楽は好まれなくなっていた時代でした。そんな風潮を意識してのイメチェンを試みたのがこの時期のYesだったと思います。その後紆余曲折あって、結局はRoger Deanのアートワークに戻っていくことになるのですが・・・。

Yes / Going For The One

(ジャケット3面を使った特殊なアートワークでした)

アルバム Going For The One に収録されたこの曲「Wonderous Stories(邦題:不思議なお話を)」は4分弱の短い曲で、シングルとしてもリリースされイギリスでヒットした曲です。曲の長さが短いのは当時の音楽シーンを意識してのものだと思いますが、だからと言ってYesの音楽の魅力が損なわれていることはない、と個人的には思っています。

Jon Andersonが本来持っているフォーク指向の歌とポップなメロディ(これもYesの持ち味だと思います)、Steve Howeのアコースティックギター(クレジットではVachaliaと表記:ポルトガル製のギターらしい)、Chris Squireの高低音を自在に行き来するベース、SquireとHoweによるバッキングヴォーカル、そしてRick Wakemanの当時最新鋭のシンセサイザーPolymoogによる華麗なキーボードワークといったYesならではのサウンドがコンパクトな形で味わうことができる曲です。個人的には2分40秒あたりでクワイヤー風のシンセ(メロトロンか?)が入ってくる部分がお気に入りです。

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