Moonshine+

個人的に好きな曲たちについて書いています。

Clannad 「Theme from Harry's Game」

Clannadは、Brennan兄妹と彼らの叔父にあたるDuggan兄弟で結成された、アイルランド出身のグループです。一時期 Enya が在籍していたことでも知られています。

彼らは1970年代前半から音楽活動を始めていて、当初はアイリッシュトラッドを中心に演奏するフォークスタイルの音楽を発表していたのですが、1983年リリースのアルバム Magical Ring から大きく舵を切ってポップフィールドに近づきました。 

Clannad / Magical Ring

このアルバムでは、これまで使用されなかったシンセサイザーやドラムといった楽器が一部の曲で導入され、ヴォーカルやコーラスには深いリヴァーブが掛けられて神秘的なイメージを醸し出しています。この変化は、本作からこれまでプロデューサーだったNicky Ryan(後にEnyaのプロデュースを手掛けた)からがエンジニアを兼務する Richard Doddに代わったこともあると思いますが、中心メンバーであるPol Brennanのポップフィールドへの傾倒による影響があったようです。

結果としてこのアルバムはイギリスで広く受け入れられ、今後のグループ活動への道を開いたのですが、それだけでなくアイリッシュフォークが持つケルティックな要素の、ポップ音楽やニューエイジ音楽への展開の先駆けとなったアルバムだと思っています。

 

「Theme from Harry's Game」は、アルバムに先行して、1982年にシングルとしてリリースされイギリスでヒットした曲。タイトルのままですが、アイルランド紛争を題材としたイギリスのTVドラマ「Harry's Game」のテーマとして制作された曲です。

シンセパッドに導かれて、深い森の中から響くような男女混声のコーラスは、圧倒的な存在感があります。2分半ほどの短い曲なのでこれが全てといってもいいのですが、何度聴いても音に癒されるような感覚になる曲です。実は大音量で聴くのがおすすめ。

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