Peter Hammill は1970年代前半にイギリスのロックバンド Van Der Graaf Generator で活動していたシンガー兼マルチ奏者です。1970年代後半からはシンガーソングライターとしてとして数多くのアルバムを残している「孤高のロック詩人」的なアーティストです。
個人的にはどちらかというと苦手なタイプのアーティストだと思うのですが、一時期 Peter Hammill の作品をよく聴いていた時期がありました。入り口は1986年のアルバム Skin からで、実はこのアルバムは Hammill らしい作品集ではなく、若干ポップ路線に日和った感のある曲が多いのですが、たぶんこのアルバムでなければ Hammill の曲を聴くことはなかったんじゃないかなぁと思います。
Peter Hammill / Skin
この曲「Painting By Numbers」は、シングルとしてもリリースされた曲(Wikipediaによるとこれ以降のシングルのリリースは無いらしい)で、Hammillの作品としてはポップに振り切った感のある打ち込みドラムとブラス系のシンセが目立つサウンドの曲です。1980年代の Hammill の作品では 打ち込みやデジタルシンセを使った曲が多いのですが、その初期にあたる曲になるんじゃないでしょうか?
(ただしポップと言っても、歌詞を見ると、芸術と商業主義の関係を批判的に歌っている内容のようで、さすがにこれでは一般受けは難しいような気がします。)
Hammillは歌のスタイル(特にシャウト系と歌い上げ系)が個性的で、これがネックとなって取っつきにくいところがあるのですが、この曲ではHammillの歌唱の個性をあまり露骨に出していないところも聴きやすい理由かなと思います。。
アルバム全体の雰囲気としても Side 1(トラック1~5)はすんなり聴けると思います。Side 2はちょっと難解かも・・・。