Moonshine+

個人的に好きな曲たちについて書いています。

さよならポニーテール「遠い日の花火」(2011)

以前も書きましたが、5月以降、紹介する曲のリリース年が1年ずつ順番に現在に向かうように記事を書いています。ということで、分かりやすいように過去記事のタイトルにリリース年を入れてみました。

 

前回は2010年だったので今回は2011年の曲。

さよならポニーテール(以下、さよポニ)は以前にもブログで取り上げたことがあります。

moonshineplus.hatenablog.com

 

今回紹介するのは、上で紹介したアルバム モミュの木の向こう側 とメジャーデビュー作 魔法のメロディ との間で、ヴィレッジヴァンガード限定で販売された4曲入りEP きらきらのEP に収録された曲「遠い日の花火」。

さよならポニーテール / きらきらのEP

 

エレピ、ギター、ベースとドラムというシンプルな演奏に、懐かしい感じのメロディをなぞるヴォーカルのみぃなの訥々とした歌がのった、初期のさよポニを象徴するイメージの曲調が素敵。彼らの代表曲の一つと言っていいと思います。

この曲はのちに2018年のアルバム 君は僕の宇宙 に収録されるのですが(ベスト盤 ROM にも収録されてます)、若干の加工が施されています。それはみぃなのヴォーカルのブレス音(息継ぎ音)をオリジナルよりも抑えている点なんですが、個人的にはこのブレス音を含めて初期のさよポニサウンドと思っているので、若干の違和感があります。いや、いい曲であることには変わりないですけどね。

YouTubeで聴けるこちらは加工後のバージョンですね。

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オリジナルの音源はオフィシャルのものはないのですが、聴き比べのために参考までに。

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Spangle call Lilli line 「eye」 (2010)

Spangle call Lilli line (SCLL)の音楽は1stアルバムと3rdアルバムを聴いたことはあったのですが、リフを基本に曲を構成するスタイルで淡々とした曲調が当時の自分としてはちょっと合わないなと感じていて、それ以降しばらく離れていました。

そんなSCLLがポップになったという情報を得て、再び聴くことになったのが2010年のアルバム VIEW でした。このアルバムは確かにポップでアップテンポな曲が中心で、聴きやすいのが大きな特徴です。

この「eye」はアルバムの冒頭に収録されたアルバムのイメージを代表するような曲。ギターのリフから曲を構成する手法は変わっていませんが、バッキングを埋める表情豊かなストリングスと手数の多いドラムが優雅でかつ躍動感にあふれるサウンドを作り出しています。

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ヴォーカルの大坪加奈さんの書く歌詞は、語感を重視した意味を持たない歌詞と言われていますが、この曲を歌詞を見ながら聴くとなんとなく開放的なイメージが浮かんでくるのがフシギ。

 

こちらはMV。

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Spangle call Lilli line / VIEW

Kate Walsh 「June Last Year」 (2009)

イギリスのシンガーソングライター Kate Walsh が2009年にリリースしたサードアルバム Light & Dark は、前作アルバム Tim's House の成功を受けて、引き続き Tim Bidwell のプロデュースの元、彼のホームスタジオでレコーディングされた作品です。

 

前作 Tim's House のことは以前記事にしました。

moonshineplus.hatenablog.com

 

アルバム Light & Dark は、前作と比較して曲調がポップに、アレンジが若干豪華になった感はありますが、各曲で彼女が奏でるメロディと甘いヴォーカルは非常に魅力的。セールス的には前作には大きく及ばなかったものの、個人的には好きなアルバムで今でも時々聴いています。

Kate Walsh / Light & Dark

 

Amazon UKのアルバムレビューによれば、概ね高評価を得られていますね。

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この曲「June Last Year」は翌年シングルとしてもリリースされた曲のようですが、あんまり情報がありません。ペダルスチールとバンジョーをフィーチャーしたフォークロック調のアレンジで、どこか懐かしい感じがする曲です。

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こちらはプロデューサーの Tim Bidwell のスタジオでの弾き語りライブ映像。個人的にはこっちのバージョンのほうが好きかも。

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Dido 「Grafton Street」 (2008)

イギリスのシンガーソングライター Dido のサードアルバム Safe Trip Home は、世界的に大ヒットした前作 Life For Rent から約5年のブランクを空けて2008年秋にリリースされました。

このアルバムは過去のアルバムと比べるとやや地味な印象がする曲が並んでいて、セールス的にはさほど振るわなかったようですが、よく聴くとほどよい暗さと湿り気がじわじわ沁みてくる感じで個人的にはDidoのアルバムの中では一番よく聴く作品です。

Dido / Safe Trip Home

 

「Grafton Street」はシングルにはなっていないものの、アルバムの中では特に印象的な曲。Grafton Streetはアイルランドのダブリン中心部にある繁華街なのですが、演奏にリコーダー(縦笛)を導入したりとアイリッシュなアレンジが加えられています(リコーダーはDido自身の演奏)。また、この曲はブライアン・イーノと共同で制作されていて、イーノが一部のキーボードとアンビエンス(?)を担当し、ミック・フリートウッドがドラムで参加、といった点も話題となっていました。

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この曲はアルバム制作前に亡くなったDidoの父親に想いを寄せた歌とのこと。Didoの父親はアイルランド出身で、Grafton StreetはDido自身も子供のころ父親に連れられて訪れたことがある場所らしいです。そのようなことを思いながら歌詞を眺めつつ聴くと、この曲に込められた哀感が沁みてきます。

A Fine Frenzy 「Almost Lover」 (2007)

A Fine Frenzy は、シンガーソングライター Alison Sudol のソロプロジェクトの名前。2000年代後半から2010年代前半にかけて3枚のアルバムを発表しましたが、2007年のデビューアルバム One Cell In The Sea はちょっと幻想的なポップ感が特徴で、個人的にはかなり注目していました。

その後の2枚のアルバムはまた違った作風で、結局イメージがしっかり定まらないままだったように思います。その後 Sudol は役者に転身し、映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズで主要な役柄を演じたことで知られることも多いようです。(私は観たことないですが・・・)

この曲「Almost Lover」は、デビューアルバムからのヒット曲。ピアノ弾き語りをベースとして、その上にストリングスが被せられたバラードで切々と失恋を歌う姿が印象的です。

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後にRemixバージョンとして、リズムセクションが追加されたバージョンがリリースされたのですが、個人的にはオリジナルのほうが好き。こちらはちょっと平凡なアレンジになってしまったように思います。

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A Fine Frenzy / One Cell In The Sea

 

近年、Alison Sudol は音楽活動を再開しているようですが、A Fine Frenzy 時代とは異なり、かなりオルタナ色が強い曲を作っているみたいです。

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奥華子 「ガーネット」 (2006)

2006年に公開された、細田守監督のアニメ映画「時をかける少女」の主題歌「ガーネット」。映画のストーリーに寄り添った歌詞が印象的な曲で、この曲を聴くと映画のシーンがよみがえってくるという、このアニメ作品と強いつながりを感じさせる曲です。

この曲「ガーネット」は奥華子さんのメジャーデビュー後4曲目のシングルとしてリリースされましたが、シングルの1曲目に収録されていたのはこの曲のピアノ弾き語りバージョンでした。映画「時をかける少女」で使用されたのは、3曲目に収録されたリズムセクションとストリングスを加えたアレンジバージョン(を編集したもの?)なのですが、個人的にはこの弾き語りバージョンのほうが好き。

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奥華子さんは、特にサビの部分でピアノの低音部を強いタッチで弾いていて、この音と透き通ったハイトーンのヴォーカルだけで十分にドラマチックだと思います。

 

こちらはアレンジバージョン。ベストアルバムで収録されている「ガーネット」はこっちのバージョンですね。

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奥華子 / ガーネット (シングル)

 

ピアノ弾き語りのバージョンは、シングル以外では、2007年リリースのアルバム TIME NOTE に収録されています。

堀下さゆり 「カゼノトオリミチ」 (2005)

この歌は、シンガーソングライター堀下さゆりさんのメジャーデビュー曲。NHKの「みんなのうた」で取り上げられました。映像(アニメーション)をスタジオジブリのスタッフが手掛けたことでも話題になったと記憶しています。

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この曲が収録された堀下さゆりさんのメジャーデビューアルバムは2005年にリリースされました。

堀下さゆり / カゼノトオリミチ

収録曲の半分くらいはバンドサウンドになっていて、カラフルなイメージがあるのですが、堀下さんの歌の魅力は「カゼノトオリミチ」に代表されるピアノ弾き語りを基本とした曲だと思います(「カゼノトオリミチ」には後半チェロの伴奏が入りますが)。ハイトーンで少し鼻にかけたような歌声は、しっとりしたピアノ演奏にのるととても魅力的です。

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この曲は、メジャーデビュー前にインディーズでリリースしたアルバムにも収録されています。サブスクで聴けるのは Lily Pop Life というインディーズでの作品集のアルバムですが、ここでは純粋なピアノ弾き語りバージョンを聴くことができ、こちらもお気に入りです。

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