Moonshine+

個人的に好きな曲たちについて書いています。

大木彩乃 「愛をください」

シンガーソングライター 大木彩乃さんがメジャーデビューしたのは1999年。デビューアルバムはフランスで録音された 幻の魚 という作品でした。当時このアルバムに出会ったのはCDショップの試聴コーナーで、前知識も無いまま偶然聴いたのが最初だったんですが、ヨーロッパ風の情緒漂うサウンドと美しいヴォーカルに魅せられました。1999年の後半はこのアルバムをヘヴィローテーションしてたのと、インストアライブに2度ほど行ったように記憶しています。

「愛をください」は2ndシングルとして1999年にリリースされた曲ですが、アルバムに収録されていない曲で、数年前にオンデマンド形式で再販され、サブスク公開されるまでは入手困難なシングルとなっていたみたいです。

録音はアルバム 幻の魚 と同じくフランスで行われ、編曲もアルバム同様にフランスの音楽家ミシェル・ベルナルクが担当しています。

大木彩乃 / 愛をください single

 

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個人的にはこの曲「愛をください」が大木彩乃さんのベストトラックです。特にこの曲に思い入れがあるわけではないですが、美しいメロディとオケとヴォーカルが心地よく溶け込んで響いてくるのが素晴らしいです。今でも時々聴いています。

 

ヴィデオクリップも作られていたんですね。これは最近YouTubeで知りました。

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2003年以降はメジャーレーベルから離れて独自の活動をされている大木さんですが、2019年にはデビュー20周年を記念して、セルフカバーの2枚のベストアルバム がリリースされています。アルバム  のラストにこの曲がピアノ弾き語りの形式で収録されていますがこちらも素敵です。

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福間未紗 「夏の星座」

1990年代の後半、福間未紗さんの音楽も良く聴いていました。結構ハマっていたかもしれません。最初に買ったCDがこのアルバム 君の友達 です。1997年リリースですが買ったのはたぶん1998年頃かな?

福間未紗 / 君の友達

 

ハマっていたといっても、ライブを観るために東京に行くなんて到底時間がなくてできなかったので、主にCDを聴くのとご本人のホームページを見るのが楽しみの一つでした。今はもうそのページは存在しませんが、最近「ウェイバックマシン」のアーカイブで見ることが(一部ですが)できるのが分かって、懐かしいなぁと思ったりして見ていました。

「自作! 福間未紗の生き物ホームページ」のトップ画面(Way Back Machineより)

当時はまだSNSが発達していなかったので、こういった本人が作成しているウェブサイトがSNSの代わりになっていたんですね。

 

福間未紗さんの音楽は、フォークやボサノバといったアコースティックな音楽が下地になっていて、そこに実弟福間創さんによるエレクトロニクスを融合させたのがデビューアルバムの モールス で、2ndアルバムの 君の友達 では今度はエレクトロニクスを用いないアコースティックなバンドサウンドとなっていました。3rdアルバム ダークネス&スノウ、4thアルバム フェスタマニフェスト を合わせて4枚のアルバムは「四部作」と自ら言っていて、異なるサウンドアプローチが試みられています。

 

アルバム 君の友達 は全体的にフォーキーなイメージで、聴きやすさという意味では本作が一番かもしれません。アントニオ・カルロス・ジョビンの「イパネマの娘」や英国フォークシンガーのヴァシュティ・バニヤンの「ダイアモンド・デイ」、その他アンデス民謡のメロディの一部を使ってそれに福間さんの歌詞をのせて歌われる曲も収録されています。

この曲「夏の星座」は作詞作曲は福間未紗さん、アレンジは福間さんとキーボード奏者の斎藤哲也さん。ボサノバ風の曲で、オルガンのバッキングが印象的。福間未紗さんの可愛らしい声質で語りかけるようなヴォーカルも魅力的です。

 

現在福間未沙さんの作品はサブスクで聴くことはできなくて、iTunesではこのアルバムのみ販売されているようです。

夏の星座

夏の星座

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YouTubeで見つけた音源を参考までに。

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平岩英子 「Snow Field~こわれるほど想っていた~」

シンガーソングライター平岩英子さんの2ndアルバム Airium は1997年にリリースされました。シングルとしてもリリースされた「卒業」や、「Blue」「サボテン」といった名曲を含むアルバムで、様々な有名ミュージシャンがアレンジを手掛けたおそらく平岩英子さんのアルバムの中では最も知られた作品じゃないかと思います。

平岩英子 / Airium

 

前作であるデビュー作 Deep Breath でも美しいヴォーカルとコーラスワークを披露していましたが、本作ではそれに加えて歌詞の面でもより深い感情を表現するようになって、これが以降の平岩さんの歌の世界のベースとなっていったように思います。アルバムのアートワークでイメージされる青い透明感とともに、それとは対極にあるような熱情が表現されていて、この両者が絶妙のバランスを保っている作品です。

 

Airium 収録のこの曲「Snow Field~こわれるほど想っていた~」でもそのような平岩ワールドを存分に感じることができると思います。作詞・作曲は平岩英子さん、編曲は溝口肇さん、ベースに渡辺等さん、ピアノは菅野よう子さんが演奏しています。

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YouTubeにアップされている音源も参考までに。

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奥井亜紀 「Love & Love」

私が最初に聴いた奥井亜紀さんのアルバムは、1996年リリースの4th アルバム You're the only melody でした。(アルバムを買ったのはたぶん翌年だったと思います)

当時はまだインターネットが普及し始めたくらいの時期だったので、新譜情報は主に音楽雑誌やFM雑誌から仕入れていたのですが、奥井亜紀さんのこのアルバムを知ったのもそういった雑誌を見たのがきっかけだったと思います。

で、あんまり先入観なくこのアルバムを聴いたのですが、これは過去の作品も聴かないと!、と思うほどお気に入りとなった作品です。実際過去のアルバムも(中古盤で)買って聴いたのですが、個人的にはやっぱりこれが一番好きで、今でも時々聴いています。バラエティに富んでいながらも、どれも奥井亜紀さんらしい魅力を感じることができる曲たちが収録されています。

奥井亜紀 / You're the only melody

アルバム収録の「Love & Love」はシングルとしてもリリースされた曲。奥井さんの力強いハイトーンヴォイスがストレートに心に届く素敵な歌です。

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こちらはPV。

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現在も「うたの素」というライブイベントを中心に活動している奥井亜紀さん。2019年のライブ映像から。

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山口由子 「Getting to my soul and love」

山口由子さんのCDで私が所有している唯一のアルバムが、1998年発表の Fessey Park Rd.

山口由子 / Fessey Park Rd.

そしてこのアルバムを購入するきっかけとなったのが、収録曲でシングルにもなった曲「Getting to my soul and love」です。確かCMソングとして使用されて耳にすることが多かったからだと思うのですが、当時お気に入りの曲でした。

山口さんは翌年TVドラマのテーマ曲として使用された「believe」がヒットしたことで、ウェットなバラードを歌うシンガーのようなイメージがあるのですが、どちらかというとアメリカンポップスやフォークといった音楽のほうがベースになっているんじゃないかと思います。

この曲が収録されたアルバムはアメリカのナッシュビルで録音されたもので、プロデューサーのBrad JonesとRobin Eatonをはじめとしたナッシュビルのミュージシャンが参加して制作されました。結果、ライト感覚でアメリカンフォークロック風なサウンドの作品になっています。

「Getting to my soul and love」もアコースティックギターの静かなイントロから始まって、途中からベースとドラムが加わってロックフレーバーも加わりますが、全般的にフォーキーな曲になっています。所々で入るペダルスチールの音もいい感じです。

 

この曲とアルバム Fessey Park Rd. は現在サブスクのカタログには入っていないので(ベストアルバムは配信で購入可能みたい)、YouTubeにアップされている音源を参考までに。

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Jungle Smile 「おなじ星」

前回、前々回と1998年の曲だったのでしばらくこの時期の曲をピックアップしてみます。特に深い意味はありませんが、この時期に好きでよく聴いた音楽は、今でも自分の音楽嗜好の一部分を構成しているように思います。

 

今回は作詞・ヴォーカルの高木郁乃さんと作編曲の吉田ゐさおさんによるユニットJungle Smileのヒット曲「おなじ星」。この曲は当時CDを買ったわけでは無いのですが、ラジオから流れるこのメロディ(特にサビのメロディ)がすごく印象深かったのを記憶しています。

最近のポップソングと比較すると、メロに乗せる歌詞がかなりゆったりしていて懐かしさも感じさせるメロディラインですが、それだけ耳馴染みの良い強いメロディなんだと思います。リアルな歌詞を誠実に歌い上げる高木さんのヴォーカルも素敵です。

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レコーディングミュージシャンには、ベースに渡辺等さん、アコースティックギターに古川昌義さん、ペダルスチールギターには駒沢裕城といったメンバーがクレジットされています(イントロの最初の音がペダルスチールギターですね)。

 

ヴォーカルの高木さんは、現在「高木いくの」名義で活動しています。ご自身のYouTubeチャンネルではつい最近ライブ配信が実施されて、そこで「おなじ星」も歌っています(20:30あたりから)が、昔と変わらない透明で美しいヴォーカルを聴かせてくれています。(若干音が割れているのが残念・・・)

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アルバムは1998年リリースの 林檎のためいき  に収録。

Jungle Smile / 林檎のためいき

遊佐未森 「タペストリー」

1998年にリリースされたアルバム エコー に収録された曲。先行でシングルとしても発売されCM曲としても採用された「タペストリー」。この時期の遊佐さんの曲の中では頭一つ抜けたようなポップでかつ美しい名曲だと個人的には思っています。

 

6/8拍子のリズムに載せて、自然の情景を歌詞に織り込みながらたゆたうように歌う遊佐さんのヴォーカルが素晴らしい。バッキングの演奏も手堅いのですが、レスリー効果を効かせたオルガンが浮遊感を演出しています。

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アルバム エコー の制作はカラム・マルコムのプロデュースの元、現地のミュージシャンによってイギリスでレコーディングされたとのことですが、この曲だけ日本人のミュージシャンだけで録音されています。アルバムでの「タペストリー」には(Remix)と記載されているので、他の収録曲とは違う環境で制作されて、他の曲とのバランスを取るためにリミックスされたのではないかと思っています。

こちらがアルバム収録バージョン。上記のMVと比較すると楽器の分離がクリアになっているように思います。あとフェードアウトのエンディングも少し長いです。

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遊佐未森 / エコー