1970年代中頃からFleetwood Mac に加入し、シンガー兼ソングライターとしてバンドを牽引していった Lindsey Buckingham が1984年にリリースしたソロアルバム Go Insane は、ポップだけど実験的な音作りが刺激的だった作品でした。
ギターの名手としても知られるBuckinghamですが、このアルバムではほとんどの楽器を自身でこなし、フェアライトCMIによるサンプリングを多用して作品を作ったらしいです。アルバムのあちこちでサンプリングされた音が散りばめられていて、おもちゃ箱のような雰囲気の作品でした。当時は「サンプリング」というのが一種のブームになっていてそれを如実に表しているようなアルバムだったと思います。
デジタル楽器はその後、YAMAHAのDX7、RolandのD-50、KorgのM1という高性能でかつ比較的安価な日本製のデジタルシンセが登場し、どれもが大ヒットしたのですが、そのようなデジタル楽器の発達とポップミュージックのサウンドがリンクしながら変化していったのが1980年代で、今聴くと時代を感じさせますが、興味深い時代だったと思います。
と、余談はさておき・・・
アルバムのタイトルトラックである「Go Insane」は、シングルカットもされそこそこのヒットになったと記憶しています。彼らしいコンパクトでポップなメロディの曲ですが、間奏部ではいろんな音が詰め込まれていて面白いです。
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Lindsey Buckingham / Go Insane