イギリスのシンフォロックバンド Pendragon のアルバムの中で、個人的には最高傑作だと思っているのが、1996年の作品 The Masquerade Overture です。
Pendragon / The Masquerade Overture
このアルバムよりも過去の2作 The World、The Window Of Life、そして次作の Not Of This World までの4作は同傾向のファンタジックでメロディが美しい曲が揃った作品なのですが、このアルバムが最も緩急のバランスが良く、曲のバラエティにも富んだ作品じゃないかと思います。
アルバム冒頭のタイトル曲を除く全6曲すべて、捨て曲無しの充実したPendragonワールドが展開されているのですが、今回はその中でもシングルカットもされた「As Good As Gold」をご紹介。
ハープ系のシンセとストリングスで静かに始まる3拍子の序盤から、7拍子となりポルタメントの効いたアナログシンセ風のフレーズが入るところは、いかにもという感じなんですが、こういうところもPendragonらしいです。メインの歌のパートは分かりやすいメロディで時折ギターのソロが入る感じ。最後は再度静かなパートとなって締めくくります。
Pendragonは、Nick Barretのギターがメインのバンドなのですが、この曲では様々なシンセ音が散りばめられていて、Clive Noranによるキーボード演奏が重要な部分を占めている曲だと思います。アルバムのブックレットには使用楽器がリストアップされていますが、さすがに1990年代だけあって、日本の三大シンセメーカー(Yamaha、Roland、Korg)のデジタルシンセが幅をきかせていますね。(その他はKurzweil、EMUなど)