Moonshine+

個人的に好きな曲たちについて書いています。

Paul Simon 「Rene and Georgette Magritte With Their Dog After the War」

この曲の邦題は「犬を連れたルネとジョルジェット」ですが、もう少し正確に書くと「戦後、ルネとジョルジェットのマグリット夫妻は犬とともに」というタイトルになります。この曲のモチーフとなったのはシュールリアリズム画家として有名なルネ・マグリット。彼の作品はコラージュや騙し絵の手法を取り入れた作風が特徴で、独特の透明感を持っていて私も好きな画家です。また、彼の作品やそのアイディアを拝借したロックのアルバムジャケットが多いのもよく知られています。

例えば、こんな感じで。


光の帝国(1953)

 


白紙委任状(1965)

 


ピレネーの城(1959)



マグリットはベルギー出身の画家で、派手で破天荒な生活とは無縁の小市民としての生活の傍ら絵を描いていたそうで、その点もユニークなところ。また愛妻家だったそうで、幼馴染の妻ジョルジェットとは生涯連れ添ったそうです。(Wikipediaより)
そんな仲睦まじい夫婦の姿をPaul Simonが想像して作った曲がこの「Rene and Georgette Magritte With Their Dog After the War」とのこと。

この曲が収録された1983年のアルバム Hearts and Bones は、元々はサイモン&ガーファンクルの再結成アルバムとして制作に取り掛かったものですが、結局それは叶うことはなく、Simonのソロアルバムとしてリリースされました。そのせいか、いくつかの曲ではArt Garfunkelのヴォーカルを前提に制作されたと思われる曲もあり、この曲もその一つです。

緩やかな3拍子に乗せて、オールディーズのフレーズも織り込みながらのやわらかなメロディはGarfunkelが歌ってもきっとよく似合うと思います。もちろんSimon自身のヴォーカルであっても遜色ない、アルバム中で特に印象的な曲となっています。

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Paul Simon / Hearts and Bones