1980年代のYesの主要メンバーとしてバンドを牽引し、Yes脱退後は映画音楽の作曲家として確固たるポジションを築いたTrevor Rabinの久しぶりのロックアルバム Rio がINSIDEOUTレーベルからリリースされました。ヴォーカル入りのソロアルバムとしては1989年の Can’t Look Away 以来なのでなんと34年ぶり。
アルバムはサブスクでも聴けるのですが、プログレ風味のハードロックという感じの作品集になっていて、1994年のYesのアルバム Talk とイメージが重なります。曲の大半はRabin自身が演奏しており、打ち込みも活用して結構ゴージャスなサウンドに仕上がっていますが、彼の特徴であるテクニカルで重厚なギター演奏がやはり際立っています。あとはスゴイと思ったのはRabinのヴォーカルで、以前よりもハイトーンが伸びているようで、現在69歳とは思えないくらいです。曲によっては Yesの Jon Andersonの声のようにも聴こえます。
そんなアルバムの中で気に入ったのがこの「Push」。複数のギターによる高速のギターアルペジオで始まるプログレハードロックで、Rabin在籍時のYesサウンドを彷彿とさせる曲です。ヴォーカルアレンジもRabinらしいというか当時のYes風で、Talk好きの私としてはなんとも嬉しい曲になっています。後半はオーケストラサウンドやヴァイオリンをフィーチャーして映画音楽作家としての一面もみることができます。
演奏はヴァイオリンとドラム以外はRabin自身によるもので、ドラムにはセッションドラマーとして有名なVinnie Colaiuta(ヴィニー・カリウタ)を起用しています。
Trevor Rabin / Rio