Moonshine+

個人的に好きな曲たちについて書いています。

Kim Carnes 「Bette Davis Eyes」

1980年代のポップミュージックの特徴を挙げるとすると、まず出てくるのがシンセサイザーサウンドかなと思います。1970年代後半以降のシンセサイザーの技術的な進歩に伴って、以前はちょっとした味付け程度に使用されていたシンセが曲のサウンドの中心となってくるのがこの時代。ディスコミュージックでは比較的早くシンセサウンドが導入されてきたのですが、普通のポップ/ロックでの使用は少し遅れてきた印象があります。

そんな時代で、シンセを大胆に取り入れて1981年に大ヒットしたのが、Kim Carnesの「Bette Davis Eyes(邦題:ベティ・デイビスの瞳)」です。もちろんCarnesのヴォーカルの魅力もヒットの要因の一つとは思いますが、このサウンドが当時非常に新鮮だったことは大きかったんじゃないかと思います。

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この曲「Bette Davis Eyes」は1975年にシンガーソングライターのジャッキー・デシャノンが作った曲で自身のアルバムにも収録されていますが、ジャズやカントリー色が強いアレンジの曲でした。

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Kim Carnesはこの曲をカバーしたのですが、大幅にアレンジを変更したのが大成功した形です。サウンドの中心となるシンセはシーケンシャルサーキット社のアナログシンセの名機 Prophet 5。あと、もう一つのポイントは2コーラス目に使用されたエレクトリックドラム。Wikipediaによればこちらはシネア社製のものとのこと。とてもリアルとは言えない音ですが、それを逆手にとってインパクトのあるスネアドラム音として使用しています。

こちらはヴィデオクリップ。エレクリックドラムの平手打ちのような音にインスパイアされた演出になっているのが面白いです。Kim Carnesの堂々とした歌いっぷりもかっこいいです。

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Kim Carnes / Mistaken Identity