Moonshine+

個人的に好きな曲たちについて書いています。

Ambrosia 「Biggest Part of Me」

アメリカのカリフォルニア出身で、1970年代後半に活躍したロックバンド Ambrosia が1980年に発表したアルバム One Eighty(邦題:真夜中の晩餐会)。アルバムタイトルは『180』、つまり180度の方向転換という意味だと言われていますが、実際は1980年の1月に完成したということに由来しているのだそうです。従来のややプログレッシヴロックの感触のあるサウンドから、よりコマーシャルでアダルトコンテンポラリーなLAサウンドを前面に出した作品で、この方向性が大いに当たって彼ら最大のヒットアルバムとなりました。

そんなアルバムの中でも最もアダルトコンテンポラリーに振り切った曲がこの「Biggest Part of Me」です。作者はこの路線のメインライターであった David Pack。メロウでソウルフルな歌とコーラスが人気となりビルボードのシングルチャートの最高3位を獲得しました。

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Ambrosia / One Eighty

 

バンドは元々4人編成だったのですが、前作アルバム制作時にキーボード奏者のChristopher Northが脱退したこともあり、前作からアルバムジャケットには残りの3人しか写っていません。でもNorthは本作制作時には復帰していたようです。また、レコーディングメンバーにはもう一人のキーボード奏者とパーカッション奏者も加わっていて、バンドの形が多少流動的だったのだと思います。この曲にしてもバンドの個性というよりも、David Packのソロ作品でもおかしくないようにも感じます。素敵な曲だというのは変わりないですけどね。

前作アルバムの後、バンドはドゥービー・ブラザーズと共にライブツアーを実施した際に、David Packとドゥービーズのマイケル・マクドナルドの間で交流があったらしく、この二人、作る曲のタイプも近いものがあるのでお互いに影響を受けたんじゃないかと思われます。

 

Ambrosiaはこの後もこの路線で行くのかと思いきや、ピンク・フロイドのメガヒットアルバム The Wall のエンジニアリングを手掛けた ジェームズ・ガスリーをプロデューサーに迎えて、原点回帰のようなハードロック&プログレ指向のアルバム Road Island を制作し1982年にリリースしますが、見事にズッコケてしまいます。でもこれも個人的には好きなアルバム。アルバムジャケットもお気に入りです。


アルバム Road Islandのジャケット