Moonshine+

個人的に好きな曲たちについて書いています。

Dire Straits 「Telegraph Road」

Dire Straits の1982年のアルバム Love Over Gold は、前作 Making Movies からさらにアーティスティックな指向を強めた作品になりました。曲で一つの物語を綴るような作風はこのアルバムがピークだったと思います。アルバム収録曲は5曲、もっとも短い曲でも5分50秒あるといった大作揃いの作品集でした。

Dire Straits / Love Over Gold

CD化された際に字が大きくなってカッコ悪くなってしまいましたが、オリジナルのLPジャケットはこのようなデザインでした。夜空に閃く稲妻が美しい、私が大好きなアルバムジャケットの一つです。

 

アルバム1曲目に収録された「Telegraph Road」はなんと14分以上ある大作です。大作といっても派手な展開や複雑な構成があるわけではなく、(アメリカの?)とある開拓地の繁栄と衰退をとつとつと語っていくタイプの曲で、Mark Knopflerのヴォーカルとギタープレイに焦点をあてつつも、本作からバンドに加入したAlan Clarkによるシンセやキーボードによる演奏がサウンドをほのかに色どっています。

おそらくキーボードの音が無いと、かなりダークな印象になるように思うのですが、キーボードサウンドを加えて色付けることで、絶妙な渋さを醸しだしています。このへんは前作でゲストとして参加したE-Street BandのRoy Bittanによるキーボードを加えたアレンジから得た成果が多分に出ているように思います。

そして9分30秒過ぎから延々5分近く演奏されるKnopflerのギターソロは圧巻です。時折挿入される雷鳴のSEがアルバムジャケットの稲妻の写真と相乗効果となって感動的ですらあります。

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