1993年の世界的ヒット曲で、アメリカのロックシンガー Meat Loaf の最大のヒット曲でもある「I'd Do Anything for Love (But I Won't Do That) (邦題:愛にすべてを捧ぐ)」。アルバム Bat Out Of Hell II :Back Into Hell(邦題:地獄のロックライダー II~地獄への帰還)に収録された曲です。
Meat Loaf / Bat Out Of Hell II :Back Into Hell
アルバム全曲の作曲とプロデュースを手掛けたのは Jim Steinman。日本では Bonnie Tylerの「Holding Out for a Hero (邦題:ヒーロー)」の作曲者といったほうがわかりやすいですね。この曲「I'd Do Anything for Love (But I Won't Do That)」もSteinman節全開の所謂ロックオペラになっています。とにかく派手で過剰にドラマチック。それでいて親しみやすいメロディなので大衆受けがいいのは間違いないでしょう。コーラスの使い方がミュージカル風なのが特徴的ですね。
クレジットをみるとバッキングヴォーカルには Todd Rundgren の名前があります。彼はMeat Loaf の1977年のアルバム Bat Out Of Hell のプロデューサーでもありました。あとピアノはRoy Bittan。彼もSteinmanのプロデュース作にはよく起用されています。
実はこの曲のアルバムバージョンは12分もの長さの大作です。シングルカットの際はエディットされて短くなっていますが、それでもイギリスでのシングルは7分50秒ほどあるらしいです(Wikipediaより)。ヴィデオクリップも同じ長さでこれも見ごたえあります。
この曲ではタイトル通り、「愛のためならなんだってする (I'd Do Anything for Love)」、「でもそれはしない (But I Won't Do That)」という歌詞が繰り返されます。なんか変な誤解を生じそうなフレーズですが、曲の終盤部で「Girl」の問いかけに「Boy」が答えるセリフが歌詞になっていて、15個の問いかけに「それはできる!」と答えたあと、「Girl」が、「あなたはいつかすべて忘れてここから去っていくんでしょ」という呟きに「そんなことはしない!」と答えるというくだり(このへんもミュージカル風ですが)があって、これがタイトルを回収している部分のようです。
ちなみこの曲名、1983年のBonnie Tylerの曲「Getting So Excited」の歌詞で使用されているらしく(こちらもWikipediaより)、確認してみると確かにそうです(以下のビデオの1分32秒あたり)。この曲、作者はSteinmanではないのですが、許可もらったんでしょうかねぇ?