Led Zeppelin の1979年のアルバム In Through The Out Door は、前作のスタジオアルバム Presence から3年以上のブランクを置いて発表された作品で、リリース直後に ドラマーのJohn Bonham の急死により実質上のラストアルバムとなりました。 このアルバムに収録されているのが「All My Love」。ヴォーカルの Robert Plant とベース奏者の John Paul Jones による曲です。
前作 Presence では、キーボード類の使用を避けて、ドラム+ベース+ギターのシンプルな構成のストイックともいえる作風で評価が高いのですが、このアルバムは逆にバラエティに富んだ作風で、悪く言うと統一感のないアルバムだといわれます。このアルバムではJonesによるキーボード類、特にシンセの大幅な導入が特徴になっていて、当時流行だったイギリスのニューウェーヴ勢のサウンドを意識したのではないか思われる作風となっていて、そういう意味ではこれからのZeppelinサウンドの模索に向けた実験だったともいえます。個人的にはこのアルバム好きですよ。
Led Zeppelin / IN Through The Out Door
この曲「All My Love」でもシンセが大活躍。当時最新のシンセ YAMAHA GX-1 によるカラフルなサウンドが映える曲です。Zeppelinらしくないソフトでポップな曲ですが、アルバムにはこれ以外にも「らしくない曲」が多く入っているのでこういうのもアリかと。シンセソロは2分30秒あたりから。単音のソロからシンフォニックなフレーズに切り替わるところがカッコいいです。