Moonshine+

個人的に好きな曲たちについて書いています。

Yes 「Changes」

1983年に復活して「Owner Of A Lonely Heart」が世界的な大ヒットとなったYesですが、この復活の立役者はプロデューサーのTrevor Hornと、新たにバンドに加入したソングライターであり、ギタリスト兼マルチ奏者のTrevor Rabinの2人です。

過去の作品からの大きなサウンドの変化から古いファンからは賛否両論あった(でも一般にはウケた)アルバム 90125 に収録されていたのがこの曲「Changes」。アルバムでのクレジットは Trevor Rabin と Jon Anderson とAlan Whiteの共作となっていますが、ベースとなったのはTrevor Rabin作のデモ曲でした。

 

Rabinは後にYes在籍時代のデモ音源をまとめたアルバム 90124 を発表していますが、その中に「Changes」のデモ曲が収録されています。

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Yesはこのような個人のマテリアルを元にして、メンバー達がアレンジを加えて曲を発展させていくという制作手法を昔から行っています。時にはあまりいじくりすぎてオリジナルの良さが無くなってしまう例(「Into The Lens」など)もあるのですが、この曲はRabinのデモをベースに、よりテクニカルでスリリングな曲へと進化させることに成功していると思います。

 

デモ曲には無かった冒頭約75秒間のイントロはAlan Whiteのアイディアがメインかと思われます。マリンバによる変拍子のリズムに畳みかけるようなドラム、そして切り裂くようなギターといったテクニカルな演奏がめっちゃカッコイイ。ポップになったと言われるアルバムですが、イエスらしい要素も上手く残しているところはプロデューサーのTrevor Hornのセンスでしょうか。続くヴォーカルパートは前半はデモ曲をなぞったものになりますが、後半部はAndesonのソロパートが入るなど大きくアレンジしていて特にハイトーンのコーラスが際立っています。

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エンディングのキメもかっこいいです。個人的にはアルバム 90125 の中で一番好きな曲です。

 

Yes / 90125