Steve Hackettの1979年発表のアルバム Spectral Mornings のタイトルトラック。Hackettの代表的なインストルメンタル曲として知られていますが、最初はヴォーカル曲として作曲したものだそうで、Hackettがメンバーにヴォーカルのメロディをギターで披露したところ、当時ヴォーカル担当のPete Hicksが「ギターバージョンのままの方がいい」と言ったことからインストルメンタル曲としてレコーディングしたとのこと。確かに<ヴァース/コーラス>の繰り返しで構成されるヴォーカル曲であってもおかしくない構成になっていると思います。
ここでのHackettのギター演奏は、時折テクニカルな部分はあるもののロングトーンをメインとしたロマンチックで美しいメロディを奏でていて、さらにNick Magnusのストリングス系シンセやノヴァトロンによる分厚いバッキングとともに夢の中のような音空間を作り上げています。個人的にも大好きな曲。
Steve Hackett / Spectral Mornings
これは2019年のライブ映像のようです。曲の最後ではタッピングによるフレーズも鳴らしています。
もう一つ、これはカバ―バージョンですが、イギリスのプログレッシヴロックバンド MagentaのリーダーであるRob Reedが2015年に企画したEP「Spectral Mornings」に収録された曲です。ヴォーカル曲としてアレンジされていて、ヴォーカルはMagentaのChristina BoothとBig Big TrainのDavid Longdonが担当しています。Steve Hackett本人も曲後半でエレクトリックギターで参加しています。