シンガーソングライター Eric Carmen の代表曲「All By Myself」。シングルとしてリリースされた1975年のヒット曲で、ロマンチックなピアノのメロディとナイーブな歌詞が印象的なパワーバラードです。1996年にはセリーヌ・ディオンがカバーして、こちらもヒットしましたね(このカバーはちょっと過剰演出気味で個人的にはイマイチですが)。
まずはシングルバージョンから。
シングルバージョンは4分半ほどの長さですが、彼のソロデビューアルバム Eric Carmenに収緑されたバージョンは約7分と長尺の演奏時間となっています。
これはアルバムバージョンの中間部に挿入されたピアノソロの有無の違いによるものなのですが、Wikipediaによれば、この曲はこの間奏部から作られたらしいです。そしてこのロマンチックなメロディの間奏部に似合うヴォーカルパートのメロディとして参照したのがラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の第2楽章でした。ヴァース部分はほぼまるごと拝借しているので、現在はこの曲の作曲者はカルメンとラフマニノフとなっています。
幼少の頃からクラシック音楽とヴァイオリン、そしてピアノに親しんだというCarmenは、この曲でもピアノを披露しており、間奏部のピアノ協奏曲風のパート(この部分はCarmen自身の作曲)でも美しいピアノ演奏を聴かせてくれています。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の第2楽章は、YouTubeでも多くの演奏を聴けるのですが、今回はこちらから。
クリスティアン・ツィマーマン(ピアノ)とボストン・シンフォニー・オーケストラの演奏で、指揮は先日逝去された小澤征爾さんです。
そのEric Carmenさんも先日お亡くなりになったとのこと。でもこの曲は今後も歌い継がれるエバーグリーンな名曲だと思います。R.I.P.
Eric Carmen / Eric Carmen