Procol Harum の曲については過去に何度か紹介しました。
そんなProcol Harumの初期3作にバンドのオルガンプレイヤーとして参加していたのが Matthew Fisher。特に1969年発表の3作目アルバムの A Salty Dog では、ハモンドオルガンの他にもピアノ、ギター、リコーダーなどの演奏も行い、アルバムのプロデュースまで手掛けていました。しかしこのアルバム発売後、Fisherはバンドを脱退してしまいます。(その後1990年の再結成アルバム Prodigal Stranger、2003年の再々結成アルバム The Well's On Fire ではメンバーに復帰しています)
1969年にバンド脱退後のFisherがソロアーティストして初めて制作したアルバムが、この1973年リリースの Journey's End です。
Matthew Fisher / Journey's End
このアルバムに収録されている曲の多くは、シンガーソングライター風のライト感覚の曲で、Procol Harumのような重厚なサウンドを期待すると肩透かしをくらいます。まあ、A Salty Dog での自身の提供曲もこれに近い感じなので、その流れで聴くとそんなに違和感はないのですが・・・。ただし、インスト曲として収録された映画「Separation」のテーマは彼のオルガンによるクラシカルで哀愁のあるサウンドを聴くことができます。
今回紹介するアルバムタイトル曲「Journey's End」は、アルバムの中では最もドラマチックな曲。 トラック上はPart 1とPart 2に分かれていますが実質連続した一つの曲です。この曲ではFisherはオルガンではなく主にピアノを担当し、弾き語りの形でスタートして、途中からオーケストラの演奏を大きくフィーチャーした堂々としたサウンド展開が感動的です。
YouTubeにはPart 1とPart 2を繋げた動画もあります。ご参考まで。