Procol Harum 1970年発表のアルバム Home。私がこのアルバムを買ったのは1981年のことです。
Procol Harum / Home
このアルバムを買うきっかけとなったのが、この曲「Whaling Stories」。確かNHK-FMのクロスオーバーイレブンで放送されたのを聴いたのが最初だったと思います。この番組は、1970年代の洋楽の名曲をよく放送していて、当時洋楽初心者の自分にはとても勉強になったことを覚えています。
このアルバムは、前作 A Salty Dog まで在籍していたオルガン奏者 Matthew Fisherとベース奏者のDavid Knightsが脱退し、代わりに加入したChris Coppingがベースとオルガンを兼務するという少し中途半端なバンド編成で制作された作品です。特にソングライターとしてソフトロック的な曲を提供してきたFisherの不在は大きかったようで、全般的に暗くて重い曲が多くなりました。
この曲「Whaling Stories (捕鯨物語)」はGary Brookerの作曲。アルバムのトーンを象徴するような、くすんだサウンドをバックにBrookerの歌が綴られていきます。この曲で重要なポジションを占めるのがRobin Trowerの泣いているような音色のギターで、特に3分55秒あたりからの約1分間のソロは圧巻です。そしてエンディング部分ではオーケストラのような厚みのアンサンブルで壮大なクライマックスを迎える部分は感動的です。
ちなみにこの曲は、1972年リリースのEdmonton Symphony Orchestraと共演したライブ録音アルバムにも収録されています。ただし、このときのバンドのギター奏者はTrowerではなく、あの独特の音色を聴くことはできません。