Moonshine+

個人的に好きな曲たちについて書いています。

Billy Joel 「Just The Way You Are」

1977年に発表された Billy Joel のアルバム The Stranger は、世界的なヒット作となりました。日本でも1978年にタイトル曲がソニーのCM曲として使用され、多くの人に Billy Joel の名前を知らしめることとなりました。本国アメリカでは「Just The Way You Are(邦題:素顔のままで)」がシングルヒットし、グラミー賞の最優秀シングルという栄誉を授与されました。

このようにこのアルバムでブレイクしたのは、プロデューサーとして起用されたPhil Ramone(フィル・ラモーン)の手腕によるものが大きかったようです。Joel自身のバンドによる演奏をベースにしつつ、ジャズ/フュージョン畑のミュージシャンの演奏を加えることで、都会的で洗練されたカラーを打ち出したことがリスナーに大きく受け入れられた要因だったと思います。(個人的には次作 52nd Street のほうが好きですが。)

Billy Joel / The Stranger

 

この曲「Just The Way You Are」で、Phil Ramoneが取り入れたのが10ccの「I'm Not In Love」のフェイザーを掛けたエレクトリックピアノとテープループによるコーラスの手法だったそうです。10ccの曲との繋がりがあるとは意外でしたが、それだけ「I'm Not In Love」が画期的なサウンドだったのだと再確認しました。確かにこの曲を改めて聴いてみるとどこか「I'm Not In Love」の雰囲気が漂っていますね。「I'm Not In Love」のような頭がクラクラするような効果ではなく、控えめに拝借しているような感じですが、この曲独得のサウンドに一役買っていると思います。

「I'm Not In Love」風のテープループは2コーラスめから入ってきます。

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10cc 「I’m Not In Love」

10ccといえばこの曲ですよね「I’m Not In Love」。1975年のアルバム The Original Soundtrack に収録された彼らの代表曲で、私も大好きな曲です。

この曲の特徴といえば全体を覆いつくすようなヴォイスとコーラスというのは誰もが認めるところだと思います。このコーラスの制作過程というのは多くの解説があるのでここでは特に書きませんが、録音とテープ編集による奇跡のような唯一無二のサウンドでなおかつ、親しみやすいメロディのこの曲は名曲と呼ぶのにふさわしいと思います。

 

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この曲、あのコーラスもすごいのですが、それとともにサウンドの核となっているエレクトリックピアノも個人的には好きなんです。フェイザーによるエフェクトや、コーラスの壁を縫うように左右に振られた凝りまくった空間処理がめっちゃ気持ちいいです。

ヘッドホンを付けてなるべく大音量で聴くのがおススメ(もちろんアルバム収録のロングバージョンで)。

 

10cc / The Original Soundtrack

LPジャケットでは真ん中の四角いモニター部分が立体的な(?)インクで印刷されていたと思います。

Mike Oldfield アルバム紹介 その22.5(番外編):アルバム未収録曲から(Warner Music時代)

Warner Music 在籍時代、つまり Tubular Bells II (1992) から Tubular Bells 2003 (2003)までの期間のオリジナルアルバム未収録曲です。この時期リリースされたシングルには、多くのリミックスバージョンが収録されましたが、それらはOldfieldファンが求めているものとは程遠いダンスミックスがほとんどで非常に残念なんですが(個人差あり)、そういう個人的に好きでないリミックス曲は除いて紹介していきます。

 

Sentinel [Single Restructure]
まずは、アルバム Tubular Bells II の冒頭曲「Sentinel」をシングル用に再構成した曲。アルバムの音源をベースにスネアドラムを加えてよりリズミックにしたアレンジは、おそらく共同プロデューサーの Trevor Horn によるものと思われます。

Early Stages
「Sentinel」のカップリング曲として収録されたこの曲は、Tubular Bells II 制作の初期段階でTrevor Hornが関与する前のアルバム導入部分の音源とのこと。原曲である Tubular Bells の導入部に近い印象で、ピアノシーケンスの7+8の変拍子も残っています。

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Silent Night
アルバム Tubular Bells II からシングルカットされた「Tatto」のカップリング曲。以前このブログで取り上げていますので、こちらを参照ください。

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The Spectral Army
The Song of The Boatmen
この2曲は アルバム The Songs of Distant Earth からのシングル「Hibernaculum」にカップリングとして入っていた曲。実はこのシングルCDは持ってなくて、昔、神戸三宮のせいでんで置いていたのを見つけて、そのうち買おうと思っていたらいつのまにか無くなっていたという残念な思い出があります。
「The Spectral Army」は、バグパイプ風の音色のノスタルジックなメロディが素敵な曲。「The Song of The Boatmen」は浮遊感のあるシンセサウンドに導かれて、シンプルなメロディを奏でるOldfieldのギターが美しい曲。どちらも3分に満たない小品です。

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Indian Lake
これもアルバム The Songs of Distant Earth からのシングルCD「Let There Be Light」のカップリング曲。優しい印象のメロディを3回繰り返すだけの曲ですが、3回目のOldfield独特の音色のギターが素晴らしい。「The Spectral Army」「The Song of The Boatmen」「Indian Lake」はいずれも同時期に作られたものと思われますが、Oldfieldらしい歌心を感じさせる曲でどれもお気に入りです。

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Women of Ireland [Lurker Edit]
この曲はアルバム Voyager に収録された同名曲をダンスミュージック風にリミックスしたもの。1997年のベストアルバムの発表に併せてリリースされたもののようです。リミックスしたのは Henry Jackman と George Schillingというミュージシャン/エンジニア。Henry Jackman はアルバム Voyager でもプログラマーとしてクレジットされていますが、現在は映画音楽の作曲家として活躍しているようです。原曲の雰囲気を壊さないようなアレンジで、コンパクトでダンサブルなリミックスとなっていて意外と聴きやすいです。

Mike’s Reel
「Women of Ireland [Lurker Edit]」のカップリング曲ですが、曲名のとおり、アイリッシュダンス風の曲。打ち込みやシンセがメインのこの時期のOldfieldの作品の中では珍しいアコースティック楽器によるアンサンブルになっていて新鮮です。

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Introduction 2003 [Single Remix]
これはアルバム Tubular Bells 2003 のプロモーション用として制作されたヴィデオクリップの音源。アルバム紹介の記事で言及していますので、こちらをご参照ください。

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以上紹介した曲は、以前はなかなか手に入らないレアトラックばかりだったのですが、2015年にリリースされたWarner時代のコンピレーション盤 The Best Of: 1992-2003 に全曲収録されることになりました。今ではYouTubeでもサブスクでも聴けるので便利な時代になったものですね。

 

あと1曲、これはMike Oldfieldの作品というよりは、Tubular Bells の音源を使ってミックスアップしたような作品なんですが、一応取り上げておきます。

Tubular X
1998年にリリースされた映画版「X-Files」のサントラのヨーロッパ盤に収録された曲(日本盤にも収録されたようです)。X-Filesの音楽プロデューサーであるMark Snowが、X-Filesの有名なテーマにTubular Bellsの導入部を組み込んだもので、Oldfieldがこの曲にどこまで関与したかは不明です。

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The Alan Parsons Project 「Games People Play」

The Alan Parsons Project(以下、APP)の1980年のアルバム The Turn of A Friendly Card (邦題:運命の切り札)収録の曲、シングルとしてもリリースされて全米ではそこそこのヒットになったと記憶しています。

この曲のポイントは何といってもイントロからずっと鳴り続けているシンセシーケンスです。これが無くてもキャッチ―なロックナンバーなんですが、このシーケンスが入ると一気にスペーシーな感じが出てきます。

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リードヴォーカルは Lenny Zakatek が担当。Zakatek はAPPの作品の多くの曲でリードヴォーカルをとっていますが、元々はR&B系バンドのシンガーだったそうで、APPのアルバムでもパワフルでアップビートなナンバーのヴォーカルを担当していますね。

こちらがヴィデオクリップ。アルバムバージョンより1分ほど短いです。

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このアルバム、後半の5曲は「The Turn of A Friendly Card」という組曲形式の曲になっていますが、どの曲もポップで聴きやすいものとなっていて、いわゆる「プログレ」とは異なります。もちろんオーケストラを導入したりシンフォニックな要素があるので、当時アメリカでは「シネマティックロック」というふうに呼ばれていたらしいです。

The Alan Parsons Project / The Turn of  A Friendly Card

 

 

・・・ここからはオマケなのですが、この曲と同じシーケンスを使って打ち込み曲を作ったことがあります。前回記事の延長みたいになりますが、現在の自宅のDAW環境を使ってラフなミックスをSoundCloudに置いてみました。こちらは特にオススメしないです。

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DTMの記憶を辿る-その4

前回からだいぶ間が空きました。どこまで書いたか忘れちゃいましたね。

moonshineplus.hatenablog.com

 

まずハードウェアから。
音源はRoland SC-88Pro以降は購入していないので、鍵盤だけです。

前回書き忘れましたが、1996年ごろ(?)にKORGのシンセ X5Dを購入したと思います。購入ポイントはズバリ、コンパクトさですね。シンセの機能も少しはいじりましたが、もっぱらMIDIの打ち込みキーボードとして使ってました。パソコン通信でのオリジナル曲の打ち込みに活躍してくれました。今はクローゼットの中で眠っています。

2000年代はほとんどDTM関連の作業はしてなくて、キーボードを次に買ったのは2013年。KORGmicroKEY をお迎えしました。ミニ鍵盤の37鍵というコンパクトなMIDIキーボード。現在はこれがメインの打ち込みツールです。その後2017年には同じくKORGのミニ鍵盤のシンセ microKORG XL を購入。ただこちらはあんまり使い込めてない状態ですね。今は標準鍵盤のキーボードがやっぱり欲しかったりして・・・(弾けませんが)。


集合写真!

 

つぎにソフトウェア。

2010年以降にまた少しだけDTM環境を整えだしたのですが、音源はやはりVSTプラグインで主にフリーウェアを入れています。でも過去のMIDIデータを再現するために互換性のあるソフトが欲しくなって、RolandSoundCanvas VA を購入しました。あとは3年前くらいに IK Multimediaの Sample Tank 4 SE ってソフトもPCに入れています。音色は大量に入っているんですが、逆に欲しい音色を探すのが大変で、フルバージョンではないので意外と欲しい音が無かったりして、こちらは少々持て余し気味ですね。

あとはボーカロイド。購入して判ったことでなんですが、自分は歌詞が作れないということを思い知らされました・・・。ということで「あ~」とか「ら~」というヴォイスでしか使うことはないみたいです。

DAWは、インターネット社のAbility 3.0 Elements。現在は海外製のDAWが主流ですが、個人的には日本製が使いやすかったりして。現在唯一の本格的な国産DAWなので今後も頑張ってほしいところです。

 

ということで、現在はこんなミニマムな構成で、おまけにたまにしか触ってませんが、今年の目標として、過去のデータのアップデートをやってあげたいなと思っている昨今です。

池田彩 「Alright! ハートキャッチプリキュア!」

唐突ですが、今年はプリキュアシリーズが20作目のアニバーサリーシーズンだそうです。現在、過去作品のテーマソングがサブスクで聴けるようになっていますね。

こどもが小さいときは日曜日の朝に毎週のように一緒に観てたので、記憶に残っているのは2009年から2013年あたりの作品。最近のは全く知らないです。最近の作品のテーマ曲を聴いてもイマイチピンとこないのが正直なところ。

というわけで、私が一番好きなテーマ曲が2010年に放送された「ハートキャッチプリキュア!」のオープニングテーマ「Alright! ハートキャッチプリキュア!」です。

 

アニメ作品自体の作品はあまり詳しく書きませんが、馬越嘉彦さんが描くポップでデフォルメを多用したキャラデザイン、主人公の花咲つぼみキュアブロッサム)と来海えりか(キュアマリン)の性格や、二人より年上の高校生プリキュア、「元プリキュア」というおばあさんといった設定が斬新で印象的でした。特にキュアマリンの活発で強引なキャラ設定と繰り出すワザのユニークさが面白かったです。

あと敵役の個性的な幹部(サソリーナ、クモジャキー、コブラージャ)の掛け合いや戦闘員(スナッキー)といった過去のアニメや特撮のオマージュ的な部分も楽しめました。

曲についてですが、特に印象的なのがイントロから現れるピチカートサウンドで、曲中に散りばめられていて、この曲独得のカラーを作り出しています。個人的には、アニメでは聴けない後半部、2分30秒過ぎから始めるカッコいいギターソロとそのあとの最後のサビへ向かう展開が大好きです。

ヴォーカルは、この時期のプリキュアソングをいくつも担当していた池田彩さん。少し鼻にかかったような軽めの声質は、現在のアニソンシンガーでいうと大原ゆい子さんに近いような気がします。

 

YouTubeでこの曲のフルバージョンを観れるオフィシャルなものはありませんが、見事な編集のこの動画をおススメしておきます。

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Solas 「I Will Remember You」

Solas はアメリカで結成されたアイリッシュフォークバンド。1996年にデビューアルバムを発表して以降、トラッド曲とコンテンポラリーなオリジナル曲をブレンドした作品を作ってきましたが、2016年のアルバムを最後に活動を休止したようです。

2000年にリリースされたアルバム The Hour Before Dawn はSolasの4作目のアルバム。このアルバムからリードヴォーカルがKaran Casey からDeirdre Scanlan に交代しています。(脱退した Karan Casey は、現在もアイリッシュフォークシンガーとして人気のようです)

Solas / The Hour Before Dawn

このアルバムでは、収録された13曲中の大半がトラッド曲をアレンジしたもので、完全なオリジナル曲は2曲のみとトラッド寄りの作品となっています。今回紹介する「I Will Remember You」は数少ないオリジナル曲の一つ。バンドリーダーでマルチ奏者のSeamus EaganとシンガーソングライターのSarah Mclachlanとの共作となっています。Mclachlanが歌ったバージョンは映画「マクマレン兄弟(The Brothers McMullen)」のサウンドトラックとして制作され、1995年にシングルとしてリリースされているのでこちらのほうが有名かも。

 

Solasバージョン。フィドルやホイッスルなどのアイリッシュの香りを漂わせる楽器を交えたコンテンポラリーなフォークソングに仕上がっています。

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こちらはSarah Mclachlanのバージョン。映画のシーンを交えたヴィデオクリップとなっています。

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