今回は、効果音が印象的な曲をいくつか取り上げてみました。ここでいう「効果音」とは、シンセで合成したような抽象的な音ではなく、現実に存在する音に限定します。もちろんそのような効果音が使用されている曲は数多くあるので、あくまで私が知っているごく狭い範囲内でのピックアップですのでご了承ください。ちなみに1970年代と1980年代の比較的有名な洋楽の曲に絞ってます。
まず風の音。風の音はよく使われる効果音だと思います。ここでは2曲を。
Christopher Cross 「Ride Like The Wind」
1979年のデビューアルバムから。デビューシングルにもなり、そのハイトーンヴォイスが話題となったヒット曲です。邦題は「風立ちぬ」だったかな?
バッキングヴォーカルで、Doobie Brothers のマイケル・マクドナルドが参加しています。
The Dream Acameny 「Life In A Northern Town」
1985年のデビューアルバムから。当時では珍しいアコースティックサウンドが新鮮でした。プロデュースはPink Floydのデヴィッド・ギルモアだったんですね。
次はガラスが割れる音。
Billy Joel 「You May Be Right」
1980年のアルバム Glass Houses から。アルバムジャケットで家のガラス窓へ石を投げつけようとするビリーが写っていて、レコードのA面に針を落とすといきなりガラスの割れる音が鳴る、という仕掛けになってました。小気味よいロックンロールナンバーで、従来のビリーのイメージとは一味違った曲でした。
Kate Bush 「Babooshka」
1980年のアルバム Never For Ever から。ケイト・ブッシュの代表曲ですね。このアルバムでは多くの曲に効果音が使われていて、ケイトのエキセントリックなヴォーカルとともに重要な曲をイメージを演出しています。この曲ではフェアライトCMIが使用されたようで、2分20秒付近に挿入されるガラスが割れる音もフェアライトのサンプリング音かもしれませんね。
この曲のビデオクリップも参考までに。数年前にTikTokで話題になったそうで・・・
Michael Jackson 「Thriller」
これはあまりにも有名な曲なのですが、効果音も色々入っています。長編でドラマ仕立てのミュージックビデオも有名ですが、ここではアルバムバージョンでどうぞ。
Queen 「Bicycle Race」
1978年のアルバム Jazz から。効果音は自転車のベルの音で、曲の中盤で聞けます。ちなみに、この曲のビデオクリップはYouTubeでは年齢制限があるようなので、下のものは別の動画です。
あー、やっぱりビデオクリップのほうも貼っておきますね。
Queen - Bicycle Race (Official Video) - YouTube
Electric Light Orchestra 「Telephone Line」
1976年のアルバム A New World Record から。個人的にELOの曲の中で一番好きな曲です。 電話が鳴る音ではなく、電話の受話器から聴こえる呼び出し音というのがプライベート感や切なさを演出しています。Wikipediaによれば、この音は実際のコール音ではなく、モーグシンセサイザーで再現したものとのこと。
最後に、個人的に一番効果音の印象が強かった曲はこれ。
Pink Floyd 「Shine On You Crazy Diamond (Part I-V)」
1975年のアルバム Wish You Were Here から。Pink Floydは、効果音で場面演出する手法を多用するバンドなのですが、そのなかでもとびきりインパクトある使い方だと思います。
静かな導入部から、デヴィッド・ギルモアのブルージーなギターソロが延々と続き、ようやくヴォーカルが入った途端のこれなので、最初に聴いたときにはビクっとなりました。今はもう慣れましたが。
前作 The Darkside of The Moon でも同様の「不気味な笑い声」を使っているのですが、こちらのほうが、片側のチャンネルに寄せている分インパクトが強いです。それも一瞬だし。