Moonshine+

個人的に好きな曲たちについて書いています。

Peter Hammill 「This Book」

最近タワーレコードなどのレコードショップに行くと、アナログ盤の品揃えが多くなっていることに気づきます。アーティストも新譜をデジタルフォーマットでリリースする以外に、(CDではなく)アナログ盤でリリースするケースも見られて、最近のアナログ盤ブームがただの回顧趣味にとどまらない状況なのがよくわかります。その分実店舗でのCDの品揃えが少なくなって、さらに店舗のサイズも小さくなって、メジャーではないCDが実店舗で買うのが難しくなっているのがちょっと残念なのですが。

 

前置きはさておいて、1980年代後半というのはアナログ盤からCDへとメディアが大きく入れ替わった時期でもありました。そういえば、自分が最後に購入したアナログ盤の新譜(中古盤は除く)って何だっけと調べてみたところ、1990年に買ったPeter Hammillのアルバム Out Of Water(UK輸入盤)が最後でした。レコード盤自体はもう処分してしまいましたが、なぜか歌詞カードだけ持ってます・・・。

 

Peter Hammillのことは以前ちょっとだけ書いたことがありますので、ご参考まで。

moonshineplus.hatenablog.com

 

そのPeter Hammillが、アルバム Out Of Water とその一作前のアルバムである In A Foreign Town を再レコーディングした形で11月後半にリリースするらしいです。個人的にはこの2作はどちらも好きなアルバムなのですが、Hammillのファンの間ではあまり高い評価を得られていないようです。というのも当時の彼のサウンドMIDIを使った打ち込みを多用しており、特にリズムトラックの音が今になっては古臭くて単調に聴こえるという点があったからで、Hammillもこれを気にしていて、最新の技術と演奏で再レコーディングを試みたとのこと。

こういったリメイクというのは、アーティストの思い入れに反して案外オリジナルの方が良かったりするんですが、これはどうなのか気にはなります。CD買うかどうかはまだ検討中です。

 

今回紹介する曲は、そんな1988年発表のPeter Hammillのアルバム In A Foreign Town に収録の「This Book」。この曲はカバーで、オリジナルはスペインのシンガー、ミゲール・ボセの1984年のアルバム Bandido に収録された曲「Abrir y Cerrar」という曲。Hammillはこの曲に新たな歌詞をつけて歌っています。

比較的素直なカバーで、原曲からメロディを大きく崩したりはしていないので、アルバム中で他のHammillの曲とはちょっと印象が異なりますが、きれいなメロディが際立つ曲で、個人的にはアルバム収録曲の中では一番のお気に入りです。確かにドラムは打ち込みで、特にスネアの音がいかにも80年代風で古臭いのですが、その時代に作られた曲ということを考えれば特に気にはならないです。

あと、歌詞の中にアルバムのタイトルになっている”in a foreign town"という言葉が出てくるので、Hammill自身も気に入っているのかも知れません。

Hammillのオフィシャルサイトに歌詞が掲載されています。興味のある方はご覧ください。https://www.sofasound.com/phcds/iaftllyrics.htm#4

 

www.youtube.com

 

オリジナルのミゲール・ボセの曲「Abrir y Cerrar」はこちら。歌詞はスペイン語で内容も異なるのですが、どちらにも「Samurai」というワードが入っています。

www.youtube.com

 

Peter Hammill / In A Foreign Town