いかにも1980年代といったシンセサイザーの洪水のような曲。この曲「Sunset Grill」が収録されたアルバム Building The Perfect Beast がリリースされた1984年ごろと言えば、ヤマハのデジタルシンセDX7が発売されたころで、まだ主力のシンセはアナログだったような時代ですが、1980年代初頭のイギリス産エレクトロポップのアメリカへの流入を受け、アメリカのウエストコーストのミュージシャンも一斉にシンセサイザーを取り入れたサウンドを指向するようになっていました。
アルバムのクレジットを見ると、この曲の参加ミュージシャンの使用楽器はこんな感じ。
- Mike Boddicker:synthesisers, emulator
- Ben Tench:synthesisers
- Danny Kortchmar:guitars, synthesiser guitar
- David Paich:piano
- Pino Palladino:bass
ドラムのクレジットが無いですが、シンプルなタムのループなのでこれもシンセなのかもしれません。ベースも半分以上はシンセベースじゃないでしょうか。
というわけで、曲の後半でホーンセクションが入ってくるものの、全般的な印象はシンセサイザーサウンドの実験場のような感じです。アルバムのクレジットにも、シンセサイザーのアレンジに、Don Henleyも含め多数のミュージシャンが関与したことが記載されています。
Don Henley / Building The Perfect Beast
えっと、本題はキーボードソロの話でした・・・。
この曲、間奏部とエンディングで金管系の音色のソロが出てきますが、実はこれはキーボードのソロではなく、Danny Kortchmar のギターシンセの音色によるギターソロです。ではキーボードソロは?というと、5:00前後に入ってくる TotoのDavid Paichによるピアノソロの部分になりますが、なんかギターシンセのソロのほうが存在感ありますね・・・。
(今回はちょっと選曲が良くなかったかも?)