Moonshine+

個人的に好きな曲たちについて書いています。

Genesis 「Silver Rainbow」

Genesisの1983年発表アルバム Genesis は、数ある彼らのアルバムの中でもあまり人気が高くないようです。確かに次作のメガヒットアルバム Invisible Touch と比較すると地味なのは否めません。特にアルバムA面の1曲目に置かれた「Mama」が、ちょっとおどろおどろしいところがあって、とっつきにくかったところはあると思います(イギリスではシングルヒットしたようですが、アメリカではイマイチ)。それと、メドレー形式で後半のインスト曲に続く「Home By The Sea」「Second Home By The Sea」も雰囲気的にはB面に収録したほうが良かったような気がします。

その点、Invisible Touch では修正されていて、冒頭にキャッチ―なタイトル曲を、インスト曲はB面に収録したおかげで聴きやすい作品になったのではないかと思います。もちろん、前年のPhil Collinsのソロ作品が大ヒットしてその勢いに乗ったというのは間違いないですが。

と、ちょっと否定的に書きましたが、Genesis は個人的には好きなアルバム。前作の Abacab がホーンセクションなども導入したり冒険はありましたが、全般的な散漫で平坦な印象だったのが、本作では重厚感を取り戻して(その分'70年代の叙情的な部分は失われましたが)パーカッシブなサウンドを前面に出した点は '80年代風にモデルチェンジした新しい Genesis の姿なのだと思います(そういう意味でアルバムタイトルが Genesis = 創世記というのは言い得てる)。そしてこの延長線上にあるのが Invisible Touch なのかな、と思っています。

Genesis / Genesis

 

で、このアルバム Genesis で私が一番好きな曲がこの「Silver Rainbow」。エレクトリックドラムとドラムマシーンを組み合わせたリズムと独特なシンセの音色とギターのカッティングとで構成された曲。ポップになったと言われる80年代のGenesisですが、彼らなりの斬新なサウンドを構築していたんじゃないかと今更ながら思います。 

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